だれが撮影をしてもうつくしい写真になるようにヘアセットやメイクをしています

ヘアメイクアーティスト・エマブールの小川敬子です。

ヘアメイクの仕事はこまかく分けるといろいろな種類に分類されます。
わたしはむかし、結婚式のヘアメイクを中心としたブライダルヘアメイクを行っていましたが、いまは撮影を中心としたヘアメイクに移行しています。

撮影の種類もこまかく分けるとコマーシャルや雑誌などのような媒体関連の撮影や、結婚式・成人式・七五三の前撮りのようなお祝いごとの撮影、また、起業される方やホームページなどでプロフィールに使う写真用の個人撮影などがあります。

わたしは撮影に関係するヘアメイクはどれも関わらせていただいていますが、コロナ禍になってからは起業される方が増えたり、お見合いをする方が増えたこともあって、個人撮影用のヘアメイクを担当させていただくことがとても多くなりました。

コマーシャルなどの媒体撮影や個人撮影と、お祝いごとの撮影はある点において大きなちがいがあります。
それは、携帯電話やご自身たちのカメラやビデオの撮影も入るということ。
つまり、プロのカメラマン以外に一般の方たちの撮影も入るということです。

コマーシャルや個人撮影は、その撮影に関係のある人たちだけでの撮影になります。
たとえば、わたしたちヘアメイク・カメラマン以外にモデル・現場を指揮する監督やそのほかのスタッフと、撮影関係者のみで撮影が行われ、個人的なアルバムをつくるような撮影がないということです。
あと、守秘義務などの関係で写真などの一般公開が禁止になっているものも多いです。

もちろん記録として自分たちの携帯電話などで撮影をすることもありますが、あくまで記録としてのこすことが目的です。
許可がおりればブログやSNSで宣伝用に使わせていただくこともありますが、多くは守秘義務のかね合いで掲載できないことがほとんどです。

成人式や七五三などのお祝いごとの前撮りや後撮りには、ご家族の方も撮影にお越しになられることが多いです。
また結婚式の前撮りはお2人で撮影をすることが多いのですが、ご自分たちの携帯電話で写真を撮られることが多いです。

いまは携帯電話のカメラの性能がとても上がっていて、一眼レフのカメラで撮影をしたようなうつくしいクオリティの写真や動画を撮ることができますが、プロのカメラマンは光の当て方や影の飛ばし方など技術を駆使して撮影をしているため、この部分でできあがった写真の仕上がりに大きな差が出てきます。

プロのカメラマンとの撮影による写真の仕上がりに差が出るとはいえ、ご自分のカメラで撮影した写真のヘアセットやメイクが気に入らない仕上がりだと悲しくなりますよね。

わたしはお祝いごとの撮影などは一般の方が自分のカメラで撮影をされることを考えて、だれが撮影しても髪型やメイクがキレイに写ることをたいせつにヘアメイクをしています。

たとえば、したの結婚式の写真はプロのカメラマンによる撮影です。

肌の質感、写真の透明度、全体的なあかるさなど、写真全体の質感のうつくしさがとてもひき立っています。

そしてこちらはクライアント様が携帯電話で撮影されたお写真です。

プロカメラマンが使っている一眼レフのカメラと携帯電話のカメラとでは解像度に大きな差が出るため、写真全体のなめらかさの部分ではプロカメラマンの撮影の方が仕上がりはうつくしいのですが、髪型やメイクが写真に写ったときの仕上がりに大きな差は出ていません。

うえの写真は結婚式の前撮りでの1枚ですが、プロカメラマンの撮影ではなくわたしが携帯で撮影したものです。
わたしは携帯を今年あたらしく買い替えていますが、この撮影のときはまだ前の携帯だったため、いまのものとくらべるとカメラの性能はかなり落ちます。
それでもこれだけのクオリティで撮影をすることができます。

こちらの写真はわたしがむかし使っていたデジタルカメラで撮影をしたものです。
わたしは撮影に関してはまったくの素人ですが、髪型やメイクがキレイに仕上がっていると、撮影の技術や知識がなくてもシャッターを押すだけでうつくしい写真を撮ることができます。

わたしもですが、一般の方は撮影の知識や技術力を持っている人はほとんどいません。
いまは携帯電話の性能が上がっていたり、アプリを使ってキレイに写真を加工・修正することができるようになっているので、一般の方が撮った写真もうつくしくプロ並みに仕上げることができるようになっています。

それでも撮影をする元となるヘアセットやメイクの仕上がりがうつくしくなかったり、考えて作られていないと、とてものっぺりとしたうすい仕上がりの写真になってしまったり、ものすごく顔の印象だけが濃い写りになってしまったりします。

わたしもSNSなどでいろいろな写真を見ていたりしますが、なかには花嫁様の顔色がとてもくすんで疲れているように見える写真を見かけることがあります。
これはとても残念です。

わたしの知り合いのカメラマンがご自身のホームページに揚げられていた写真にも、とても疲れているような仕上がりの写真があったのですが、どれだけ撮影の技術があっても被写体のヘアセットがボサボサだったりベースメイクがくすんでいたりすると（写真全体が台無しになるなぁ…。）と見ていてとても残念な気持ちになりました。

写真をうつくしく撮るためのヘアセットやメイクのポイントは、

・ワックスやスプレーなどのスタイリング剤を使ってボサボサ感が出ないように髪をまとめる。
・ベースメイクはくすみをしっかりとはらう。
・遠くから撮影をしてもお顔だちがわかるようにメイクにメリハリをつける。
・引き算のメイクを大切にする。

ザッとですが、このような点をとくにたいせつにしています。

髪からみじかい切れ毛などが浮いているととてもボサボサ感が強くなり、全体的にきたない仕上がりになってしまいます。
それを防ぐためにワックスやスプレーを使って髪の浮きなどをおさえることがとてもたいせつになります。
とくにいま流行りのルーズにくずす髪型は、毛束をひき出すとみじかい毛が浮きやすくなるのでスプレーを使ってセットをすることがとてもたいせつです。