映画「プラダを着た悪魔2」女優3人のメイクと髪型からヘアメイクアーティストが読み解く印象戦略
はじめまして。
安心感のある丁寧な対応と豊富な経験で、あなたの理想を叶えるお手伝いを。
旅するヘアメイクアーティスト「AimBle」の小川敬子です。
先月下旬、待ちに待った「プラダを着た悪魔2」を鑑賞しました!
ファッションや仕事への情熱、そして3人の女性たちのそれぞれの生き方——。
前作からのファンはもちろん、初めて観る方にも刺さるシーンが満載で、エンドロールまで気持ちが上がりっぱなしでした!
私はヘアメイクアーティストという仕事がら、映画を観るとどうしてもヘアスタイル・メイク・ファッションとの組み合わせに目が行ってしまうのですが、この映画はまさにその視点で観ても楽しめる場面が盛りだくさんです。
今回は、ミランダ(メリル・ストリープ)・アンディ(アン・ハサウェイ)・エミリー(エミリー・ブラント)3女優さんたちのメイクとヘアスタイルについて、ヘアメイクアーティストの目線でご紹介します。
- ネタバレしている部分もあります。
エマブールこのブログの信頼性について
このブログを書いている私は、ヘア&エアブラシメイクアップアーティストです。
大阪府生まれ。
ヘアメイク歴23年。
TONY TANAKA BEAUTY SCHOOL卒業後、ヘアメイク事務所で経験を積み、2015年に独立。
ブライダルヘアメイクの技術と経験を活かし、CMやメディア撮影から結婚式のヘアメイクまで幅広く活躍。
ACA エアブラシメイクアップディプロマ取得。
ミランダ&アンディ|ビジネスシーンに宿る「メイクの引き算」
- 映画『プラダを着た悪魔2』公式YouTubeより
ファッション誌「ランウェイ」の伝説的編集長ミランダと、かつてそのアシスタントを務め、報道記者を経て「ランウェイ」に舞い戻ったアンディ。
ふたりはそれぞれプロフェッショナルとして第一線に立つ女性として描かれていますが、ビジネスシーンのメイクに共通しているのは「引き算の美しさ」です。
スーツスタイルに合わせたアイシャドウは控えめなトーン、リップも主張しすぎないナチュラルなカラーで、気取らないのに洗練さを感じるスタイルを表現しています。
エミリー|ラグジュアリーブランド幹部の「フェミニンな貫禄」
1作目でミランダのアシスタントとして強烈な個性を放っていたエミリーが、今作ではラグジュアリーブランドの幹部として登場します。
結婚し、母親にもなったエミリーのメイクは、前作のアイメイクを強調したスタイルからナチュラルな仕上がりへと変化。
でもそこには、確かな貫禄とブランドの顔にふさわしい洗練された美しさがあります。
アンディとエミリーのメイクのいちばんのポイントは、眉です。
アンディの眉は、しっかりと描かれたマニッシュなスタイル。
キリッとした眉が、彼女の意志の強さや記者としての芯の通った印象を引き出していて、見ていてとても清々しいです。
一方エミリーは、アンディの眉とは対照的にフェミニンなアーチを描いており、同じ「眉をポイントにしたメイクをしている」ふたりでも、印象がまったくちがうのがとても興味深いポイント。
劇中でエミリーがアンディに「眉が相変わらず変ね」と指摘する場面がありますが、よく考えると、おたがいに眉にこだわりを持つふたりだからこそ出てくるセリフだとも読み取れて、思わずくすっとしました。
ドレスアップシーン|3人のメイクとヘアが「最高潮」に!
- 映画『プラダを着た悪魔2』公式YouTubeより
映画の見どころのひとつとして、じっさいのランウェイや華やかなバックステージシーンが登場します。
私自身もかつて憧れた世界。
そのシーンが出てきたときは、思わず気持ちが上がりました!
ドレスアップした3人は、ビジネスシーンとはまた別の顔を見せてくれます。
中でも、アンディのアップスタイルがとても印象的でした。
ドレスに合わせたヘアスタイルというと、カールを活かしたふわふわと華やかなスタイルを想像する方も多いと思いますが、アンディはあえてタイトにまとめたアップスタイルを選んでいます。
ドレスの色・デザイン、そして年齢にも寄り添ったこのスタイルは、「足し算で華やかにする」のではなく「引き算で凛とした大人の美しさを際立たせる」という選択。
ヘアメイクアーティストとして思わず見入ってしまうほど、とても美しい仕上がりです。
メイクは目元とリップにポイントを置いた、華やかでエレガント、そして女性らしさが際立つ仕上がりに。
ビジネスシーンとのメリハリが、同じ人物の魅力をまったく別人のように引き出すところは、とても興味深いです。
今作のキーカラー|ブルーのアイシャドウが語ること


1作目からエミリーのトレードマークだったブルーのアイシャドウ。
今作ではアンディのドレスアップシーンにもブルー系のアイシャドウが多く登場し、印象的なカラーとしてパーティーシーンを彩っています。
ブルーのアイシャドウは、日本ではあまり馴染みがない色かもしれません。
「発色が強くて使いこなすのが難しそう」
「どんな場面で使えばいいかわからない」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
でもじつは、ブルーのアイシャドウには魅力がたくさんあります。
- クールで洗練された印象を目元から引き出してくれる
- ブルーベースの肌の方が使うと、透明感が一段ときわ立つ
- 私が専門学校時代に講師から教わった言葉に、「ブルーは女性らしさを引き立てる色」というものがあって、今も大切にしている色彩の考え方です。
夏はとくに、目元から涼しげなふんいきを演出できる色。
私自身は、ペールトーンのブルーをまぶた全体にのせたり、ネイビーをカラーライナー代わりに目のキワに細く入れたりして日常使いしています。
ヘアメイクが伝える「印象の戦略」


Make : Yukiko Ogawa(AimaBle)
私は、プロフィール写真やお見合い写真のヘアメイクを担当するさい、お客様によくこのようにお伝えします。
「いつ・誰に会って・どこへ行き・何をするのか。そのシーンを想像してヘアメイクを整えることが、印象を味方につける第一歩です。」
ミランダ・アンディ・エミリーの3人は、シーンによってメイクもヘアスタイルも変わります。
ビジネスの場では知性と洗練さを引き立てる「メイクの引き算」を、ドレスアップの場では、女性としての華と個性を——
それぞれが「その場にふさわしい自分」を纏っている。
これはまさに、見た目の印象を意図的に設計するということです。
映画を楽しみながら、その必要性をあらためて実感できた作品でした。
「プラダを着た悪魔2」は、ファッションとメイクの視点でもまちがいなく楽しめる一本です。
ぜひ劇場でご覧ください!
☆
ミランダもアンディもエミリーも、シーンに合わせてヘアメイクを変え、会う相手や場に合った印象を演出しています。
それは、映画の中だけの話ではありません。
プロフィール写真は、あなたが直接会えない人に「第一印象」を届ける大切な写真です。
どのような「あなた」を印象づけたいのか——
その答えをヘアメイクで形にするお手伝いをしています。



