はじめまして。
私は大阪・堺市でヘアメイクアップアーティストとして活動をしている「AimaBle」の小川敬子です。
お盆の季節に入りました。
この時期になると、ご先祖様のご供養のためにお墓参りへ行かれたり法事を執り行われる方も多いと思います。
ところであなたは、お葬式や法事のさいの化粧の仕方やマナーについてご存じでしょうか?
ふだんよりも薄めのメイクにしていれば大丈夫じゃない?
と思っていませんか?
あなたが思っているよりも、お葬式のメイクにはこまかいマナーがあります。
今日は、お葬式や法事のさいのメイクの仕方やオススメの化粧品そしてマナーについてご紹介します。
このブログの信頼性について
このブログを書いている私は、ヘアメイクアップアーティストです。
専門学校を卒業後9年間結婚式場でブライダルヘアメイクの経験を積みました。
ブライダルヘアメイクにおいては、セントラファエロ・アンジェルミエールにて5年連続顧客満足度第1位を獲得しています。
現在はフリーランスとしてCMなどのメディア撮影から結婚式のヘアメイクなど、さまざまな現場でヘアメイクアップアーティストとして活動を続けています。
それではさっそくご紹介します。
お葬式や法事の化粧の仕方やおすすめの化粧品とマナーについて
どうしてお葬式や法事に参列するさいのメイクの仕方・マナーについて書こうと思ったのかというと、帰宅途中駅前を歩いているとメモリアルホールから来られたと思われる方々をお見かけしたのですが、いっしょにいた20代前半くらいの女性のメイクを見てとてもおどろいたからです。
なぜとてもおどろいたのかというと、その女性はアイラインを太く濃く引きチークをしっかりと発色させ目元や肌にはパールを効かせてとてもきらびやかなメイクだったからです。
ワンピースに着替えればそのまま結婚式へ列席できるメイクだったので、
だれか教えてあげれば良いのに…。
と思いました。
ですがひょっとすると、周りの方もお葬式のさいのメイクや髪型についてご存じなかったのかもしれません。
お葬式や法事でのメイクの仕方と化粧品・マナーについて
お葬式や法事は、亡くなられた方のご冥福をお祈りし供養するために行います。
冠婚葬祭とひとくくりにされていますが、人生のあたらしい門出を祝福する結婚式とは正反対の行事です。
そのため華やかであったり濃いメイクはNGとされています。
ではどのようにメイクをすれば良いのでしょうか。
ベースメイクについて
まずベースメイクについてですが、化粧下地やファンデーションにパールが入っていないものを使いセミマットに仕上げます。
ほんらいはマットに仕上げますが、あるていどの年齢を重ねてマットな質感に仕上げてしまうと老けた印象になってしまうからです。
今はツヤ肌に仕上げるベースメイクが流行っているので、化粧下地やファンデーションにこまかいパールの入っているものがとても多くなっています。
そこでセミマットに仕上げるためにオススメなのが、ベースメイクの仕上げにフェイスパウダーを使う方法です。
ファンデーションを塗った上から化粧用のパフを使って顔全体にフェイスパウダーを軽くはたき、余分な粉をフェイスブラシで払うことでセミマットな質感に仕上がります。
フェイスパウダーを顔全体にはたいた直後はマットな状態になりますが、しばらくすると皮脂と混ざってセミマットな肌になります。
最近はしっとりとした質感に仕上がるモイストタイプのフェイスパウダーも販売されているので、乾燥肌の方であったり湿度の低い冬の場合は、このようなタイプのフェイスパウダーを使うと肌のかさつきを押さえながらセミマットな肌に仕上げることができるのでオススメです。
またフェイスパウダーは、汗や水をはじく性質があり化粧崩れを防ぐ効果もあるため汗をかきやすい夏場や涙が出てしまったときにメイクが崩れることを抑えてくれます。
肌をしっとりした質感に仕上げるフェイスパウダーについては過去記事、フェイスパウダーも進化の時代へ うるおいを与えるモイストフィニッシュパウダーをご高覧ください。
アイメイクについて
ベースメイクの仕方で少し触れましたが、お葬式や法事に列席するときのメイクにおいてパール感や濃いメイクはNGです。
そのためアイメイクは、とてもナチュラルに仕上げることが望ましいです。
アイシャドウの色としてオススメなのは、ベージュ系や薄いブラウン系です。
目の大きな方の場合はこれらのアイシャドウをアイホール全体に入れて1色塗りで仕上げても良いですし、目を大きく見せたい方は上の写真のように目のキワに少しだけ濃い色のブラウンを入れておくことで立体感が出て目を大きく見せることができます。
ここで少し困るのは、使うアイシャドウです。
最近は、アイシャドウもほとんどのものがパールやラメが入っているためマットなものを探すことがとてもむずかしいです。
マットな質感のアイシャドウがあればお葬式用に買っておくのはもちろんありですが、なかなか使うことがないのでもったいなくもあります…。
そこでオススメなのは、アイブロウパウダーをアイシャドウの代わりに使う方法です。
アイブロウパウダーは、眉に使うパウダーであるためラメやパールが入っていません。
眉毛がキラキラしていたらおかしいですよね。
また使う色にもよりますが、3色入っているタイプのアイブロウパウダーにはベージュ系・薄いブラウン・濃いブラウンがセットになっているものが多いためグラデーションをかけるさいもとても使いやすいです。
もし濃い色のアイブロウパウダーしか持っていない場合は、上の写真のような色のアイブロウパウダーを1つ持っておくと法事のさいに使うことができだけでなく普段の眉メイクとしても使うことができるのでとても便利です。
つづいてアイラインですが、色は茶色がオススメです。
理由としては、黒でアイラインを引くと目力が出てしまいやすくなるためです。
またラインは、目のキワに沿って細く引いてください。
ただアイシャドウを薄くしアイラインも茶色で細くひかなければならないとなると、かなりアイメイクがナチュラルに仕上がるため参列される方とのご対面のときに不安になる方もおられるかもしれません。
そのような方は、こげ茶色のアイライナー(黒に近い茶色)を使ってください。
茶色よりも目力を出すことができます。
さいごにマスカラについてですが、基本的にお葬式や法事のメイクでは使いません。
ビューラーでしっかりと根元からまつ毛を上げるだけにとどめます。
ですがまつ毛の本数が少ない方や短い方、アイライナーが苦手でマスカラだけでアイメイクを仕上げている方も多いと思います。
そのような方はボリュームが出ないタイプや茶色のマスカラを使ってください。
ほかのアイメイクとのバランスがとりやすくなります。
チークと口紅について
お葬式や法事のメイクにおいては、血色をよく見せるチークや口紅は控えめな色を使います。
とくにチークは赤みを感じる色を使わず、ブラウンやアンバーといったシェーディングカラーを使って骨格を強調するのみにすることが望ましいです。
また口紅も、ベージュ系の色を使い血色良くみせることを抑えるようにします。
ただチークと口紅の色をどちらも抑えてしまうと、血色が悪く見えるため具合が悪く見えてしまうかもしれません。
そのため口紅は、ベージュ系のオレンジやブラウンといった少しだけ赤みを感じさせるものを使うとチークとのバランスをとることができます。
なおもともとのくちびるの血色が悪くふだんは赤系の口紅を使っているという方は、薄いピンクのチークを使うことで血色感が増しベージュ系の口紅が使いやすくなります。
まとめ
お葬式や法事の化粧は、
・パールやラメ感はNG
・濃い色のアイシャドウやアイライナー・口紅はNG
・マスカラは使わない
・チークとマスカラは血色を抑える色味を使う
というのが基本のメイクになることをご紹介しました。
ただそれではいつものメイクとちがいすぎて少し不安になる方もおられると思いますので、その対処法となるメイクの仕方についてもご紹介してきました。
お葬式や法事は、亡くなられた方とのお別れの場でありご冥福をお祈りするための儀式となるため普段のメイクよりもよりナチュラルな仕上がりなるだけでなく質素なメイクにします。
ですがそれが嫌だからとふだんとおなじイクをしてしまうと、喪服を着たときに顔がとても華やかに引き立ってしまい亡くなられた方を悼むふんいきを感じさせない装いになってしまいます。
そのためこのような質素なメイクが好まれマナーとなっています。
これからお墓参りや法事をひかえられている方も多いと思いますが、メイクの仕方で悩まれている方の一助となると幸いです。
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