ヘアメイクアーティスト・エマブールの小川敬子です。
つい先日あたらしい1年がはじまったかのように思っていましたが、気がつくと1月も半月が過ぎていることにとてもおどろきます。
今年の寒さはとりわけきびしく感じられますが、あたたかくなる春の日ざしをまちわびながら元気に過ごしていきたいですね。
昨年10月に、遺影写真を中心に人物写真の撮影をされているEAE photography様から遺影写真用のヘアメイク依頼をいただいて、撮影にごいっしょさせていただきました。
今日はそのときのお話をする前に、わたしが遺影写真の撮影現場や福祉介護の業界でヘアメイクを担当させていただくようになった理由と、ご高齢者の方へのヘアメイクへの思いについてつづっていきたいと思います。
それではさっそくご紹介していきます。
遺影写真の撮影や福祉介護の現場でヘアメイクをする理由と思いについて
今年も年明けから新型コロナウィルスの感染がひろがっています。
高齢者施設でのクラスター発生や、医療状況が日に日に悪化していることがとても心配です。
わたしが遺影写真やご高齢者の方のヘアメイクにはいるようになった経緯などをお話する前に、終活や遺影写真の撮影についてお話していきたいと思います。
終活のなかの遺影写真撮影
「終活」という言葉が世間にひろまってからひさしくなります。
超高齢化社会に入っているといわれている日本では、終活をおこなわれる方が増えていると聞きます。
この終活の定義とは、
遺言書を作成したり、あらかじめお葬式やお墓の手配をととのえておいたりと、自身が亡くなったあとにだれにも負担をかけないようにと準備をしておくことを差します。
その準備のなかの1つとしてとりいれられていることが、「遺影写真の撮影」です。
わたしは昨年秋に祖母を亡くしたのですが、そのときに遺影写真として使われていた写真が祖母が50代のころのものでした。
わたしが知っている祖母とはちがう、写真のなかの祖母にすこし違和感を感じたことを覚えています。
終活の一環として遺影写真の撮影がおこなわれているのにはさまざまな理由があります。
・亡くなったときの本人とかけはなれた写真が使われてしまう可能性がある。
・かざってもらえる良い写真をのこしたい。
などが大きく挙げられます。
祖母の遺影写真を見たときに、
(もっと早く写真を撮影してあげればよかった。)
と、とても悔いがのこっています。
アメリカでは新型コロナウィルスの感染拡大でたくさんの方が亡くなられています。
新型コロナウィルスの感染拡大がはじまったころ、
という理由から、家族写真をプロのカメラマンに撮影してもらう人がとても増えたというニュースを観ました。
そこには、遺影写真としてだけの意味あいだけではなく、
という、前向きな気持ちもこめられているそうです。
わたしはこの部分にとても共感しました。
わたしが遺影写真のヘアメイクにたずさわる理由について
わたしは結婚式や成人式、また、雑誌などの撮影現場でヘアメイクをすることが多いのですが、ヘアメイクの仕事に代表されるこれらの業務だけではなく、特別養護老人ホーム様でおこなわれるファッションショーのヘアセットやメイクを担当させていただくこともあります。
福祉介護の現場でヘアメイクを担当させていただくようになったのには偶然のご縁もありますが、1番には祖母のことがありました。
長生きをしてもらえると家族としてはとてもうれしいのですが、本人にとってはさみしさやつらい気持ちを感じることがあるようです。
なかよくしていたお友達や、長年生活をともにしていた夫や妻が先立ってしまったり、思うように動けなくなっていくことや、施設にはいることになり、家族に会いにくくなる状況になってしまう恐れのでてくることが大きな原因のようです。
わたしの祖母もおなじ悩みをよく口にしていました。
(この矛盾を埋めることはできないだろうか。)
と模索しているときにご縁をいただいたのが、福祉介護の現場でファッションショーを開催されているフクシル株式会社様と、遺影写真の撮影をおこなわれているEAE photography様でした。
長年のヘアセットやメイク、そして各分野での経験や知識がたくさんのご高齢のみなさまのお役に立てられればという思いもありますが、
・たのしい時間や想い出づくりの機会をつくっていきたい。
・次にまた撮影やファッションショーに参加できるよう、もっと長生きをしたいと思ってもらいたい。
という前向きであかるい気持ちを持って、長生きすることをたのしんでいただきたいという思いから、ファッションショーだけではなく、遺影写真のヘアメイクにもごいっしょさせていただくようになりました。
たのしくしあわせな、人のつながりが増える機会に
写真は2019年に兵庫県・芦屋市にある、特別養護老人ホーム様で開催されたお茶会イベントの様子です。
こちらの施設を利用されているご高齢者様と、福祉の業界で仕事をするため勉強をしている学生の方が、いっしょに着物を着てお茶会をするというイベントでしたが、わたしはこちらでヘアセットとメイクを担当させていただきました。
このころはまだ新型コロナウィルスの感染はありませんでしたが、施設にはいるとご家族のみなさまにお会いできる機会が減ってしまわれるようで、ひさしぶりに若い方たちとの交流をもたれてとてもよろこんでくださっていました。
お孫さんのすがたがかさなるのか、涙されていたおすがたが今も印象にのこっています。
今は新型コロナウィルスの世界的な流行もあって、とくにご高齢者の方が利用されている施設へはいることは家族であってもとてもむずかしくなっています。
感染者の数が減るまでは施設におもむくことができなくなりますが、ファッションショーやイベント、そして写真撮影の場をもうけることで、ご家族のみなさまと会う機会を増やすことができます。
わたしはこれからもヘアメイクの技術をつうじてその機会をつくり、ご高齢の方とご家族の方とのたのしいしあわせな時間をたくさんつくっていきたいです。
まとめ
ヘアメイクアップアーティストという肩書きを名乗ると、とてもはなやかな仕事に思われたり、一般の方には縁遠く感じられることが多いのですが、わたしはヘアセットやメイクの技術はたくさんの方を笑顔にし、たのしくしあわせな時間を過ごしていただける手段や道具の1つだと思っています。
そしてそれは18年というヘアメイクの経験からも強く実感することができています。
ご高齢者のみなさまに、
と思っていただけるよう、そしてご家族のみなさまと過ごせる時間を増やすきっかけとなれるよう、これからも技術を活かしていきたいです。
ヘアセットやメイクのことはプロのヘアメイクアップアーティストにご相談ください。
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