はじめまして。
私は大阪・堺市でヘアメイクアップアーティストとして活動をしている「AimaBle」の小川敬子です。
先週までバタバタと過ごしていましたが、ようやく落ち着いてきたのでひさしぶりに専門学校からの親友とランチへ行きました。
私はヘアメイクアップアーティストとして活動をしていますが、親友は専門学生時代からビューティーカウンセラー(美容部員)になりたいと思っていて、おたがいに専門学校を卒業してからはそれぞれの希望する道へ進みました。
もう20年近い付き合いになりますが、道は違えども志しを持って仕事をしている親友とずっと友達でいられることに感謝するばかりです。
ところであなたは、ヘアメイクアップアーティストとビューティーカウンセラーの違いがわかりますか?
多くの方があまり違いをうまく説明できないと思います。
今日は、ヘアメイクアップアーティストと美容部員はなにが違うのかや美容部員になるための方法についてご紹介します。
このブログの信頼性について
このブログを書いている私は、ヘアメイクアップアーティストです。
専門学校を卒業後9年間結婚式場でブライダルヘアメイクの経験を積みました。
ブライダルヘアメイクにおいては、セントラファエロ・アンジェルミエールにて5年連続顧客満足度第1位を獲得しています。
現在はフリーランスとしてCMなどのメディア撮影から結婚式のヘアメイクなど、さまざま現場でヘアメイクアップアーティストとして活動を続けています。
それではさっそくご紹介します。
ヘアメイクアップアーティストと美容部員の仕事の違いについて
ヘアメイクアップアーティストもビューティーカウンセラーも人にメイクをするイメージがとても強いと思いますが、仕事の内容には大きな違いがあります。
まずはじめにわたしたちヘアメイクアップアーティストの仕事についてご紹介します。
ヘアメイクアップアーティストの仕事について
ヘアメイクアップアーティストは、メイクやヘアセットをお客様に施術して人に見せるためのヘアメイクを施すことが仕事です。
たとえば結婚式や広告などの撮影や動画など、見る対象となる方がいることを前提とした技術をご提供することがほとんどです。
ときおり入学式へのご出席や個人の記念撮影といった私的なヘアメイクなどもありますが、ご家族やご友人といった方々に撮影した写真を見せる場が出てくる可能性もあります。
また美容部員さんとの違いとしてもっとも大きな点は、ヘアセットができるかできないかということです。
わたしたちヘアメイクアップアーティストは、ヘアーとメイクと書かれるようにヘアセットも業務の中に入ります。
ですが、美容部員さんたちの仕事にヘアセットはほとんどありません。
中にはヘアセットを行う化粧品メーカーさんもあるかもしれませんが、美容部員さんがヘアセットをしている姿を見かける機会はとても少ないです。
なおわたしたちの職種はもう少しこまかく分けることができ、ヘアセットはせずメイクのみを業務とするメイクアップアーティストもおられます。
ヘアセットをしないので仕事の幅がとても限られてくるため大阪でもごく限られた人しかいませんが、東京へ行くと広告や雑誌の撮影などはヘアセットとメイクを分けて行うことが多くあるためメイクだけの仕事の需要も高くなります。
では美容部員さんの仕事とはどのようなものなのかを次にご紹介します。
美容部員の仕事について
エマブールがおこなっている化粧品お買い物同行の様子です。
美容部員さんの主な仕事は、化粧品の販売をすることです。
百貨店へ行くと、各コスメカウンターにかならずそのブランドのビューティーカウンセラー(美容部員)さんがいます。
上の写真のようにお客様にメイクをすることも業務に入りますが、人に見せるためのメイクではなくお客様ご自身のためのメイクを行います。
ビューティーカウンセラーさんが行うメイクは、自社の化粧品を使ったメイクです。
すなわち自社の化粧品を使うことでいかにあなたの魅力がより良く引き出すことができるのかを実感してもらうためにメイクをします。
あなたも、化粧品売り場で塗ってもらった口紅でグッと表情があかぬけ、その口紅が欲しくなったという経験はありませんか?
ビューティーカウンセラーは、あなたの魅力を引きたてる化粧品をメイクといっしょにご提案することで購買意欲を高める販売のスペシャリストです。
ここが、ヘアメイクアップアーティストとの大きな違いになります。
そしてヘアメイクアップアーティストとビューティーカウンセラーのもう1つの大きな違いは、化粧品の成分や皮ふの構造といった化粧品やスキンケアの知識については、圧倒的にビューティーカウンセラーさんの方が知識が広くて深いということ。
わたしたちヘアメイクアップアーティストもある程度の化粧品や肌の構造といった知識は持っていますが、基本的には人の見た目を大きく変えるメイクやヘアセットといった「技術」に優れています。
Hair & Make:Yukiko Ogawa(AimaBle)
ですが化粧品の成分的なことやそれらが肌にあたえる効果などについての知識は、圧倒的にビューティーカウンセラーさんの方が勝ります。
そのため私もよく親友と話すと気になる化粧品の成分について聞くことができたり年齢ごとの肌の悩みを解消するためのより良い化粧品を教えてもらったりと、会うたびに勉強会をしてもらっているようでとても楽しいです。
先日もコンシーラーの話や年齢によるカバーメイクの色選び、私が欲しいと思っている眉用のリキッドライナーが今はほとんど無くなっていることや化粧品の系列会社についてなどの裏話的なこともたくさん聞くことができてものすごく楽しかったです。
余談ですが、私の親友は過去クリスチャン・ディオールで長年にわたってビューティーカウンセラーをしていました。彼女によるとディオールは、ルイ・ヴィトンの系列会社とのこと。
私が先日コンシーラーを購入したアディクションは、コーセーの系列になります。
アディクションのコンシーラーパレットの使い方や私がこのコスメを選んだ理由、目の下のクマの性質などについてのくわしい内容についてはエマブール ブログ、アディクションのコンシーラーパレットの使い方と選んだ理由についてをご高覧ください。
化粧品ブランドはそれぞれが単独のものだと思っていましたが、コーセーや資生堂などのように大きなブランドの枠の中に入っていることを知るとそれもとてもおもしろいです。
また使っている原材料に違いはあっても、生産ラインはおなじはずなのであたらしいブランドで化粧品を買うときの参考にもなります。
美容部員をしている親友と話をしているとこのような知識がたくさん増えますが、とても勉強になり化粧品をあつかうプロであることを実感します。
ではつぎに親友から教えてもらった美容部員になるための話をご紹介します。
美容部員になるためには
先ほども少し触れましたが、私と親友はおなじ専門学校の卒業生です。
彼女がヘアメイクの専門学校に入学した一番の理由は、「美容部員になりたい」という目標があったからです。
そのため専門学校でメイクの仕方を学ぶことで就職してからも即戦力となれることから、就職活動も有利にはたらくことを見越して大学ではなく専門学校へ入学することを選びました。
専門学校の卒業時期が近づくと同時に立ちはだかるのが、就職活動です。
親友は第一希望である化粧品ブランド「RMK」を受けましたが、結果としてはとても残念なことに不合格でした。
というのも、RMKでは専門学校の卒業生よりも大学の卒業生を希望していたことが大きかったそうです…。
専門学校の後輩にも美容部員を希望して入学した人はいましたが、彼女は希望とする「MAC」を受けたものの結果として親友とおなじく不合格になったと聞きました。
即戦力になりうる専門学校の卒業生よりも大学卒の方を選ぶ理由として考えられることは、学歴優先の社会であると言うことだと思います。
ましてRMKやMACは、百貨店に入るコスメブランドなのでよりその傾向が強いのかもしれません。
またコスメブランドに入社すると入社後から社員研修がはじまり、そこで化粧品や皮ふについての知識を学んだりメイクやスキンケアの技術を習得することができます。
そのような理由からも、専門学校で学ぶ技術的なことよりも学歴が優先になるのかもしれません。
結果として親友は当時はまだ資生堂系列であったアユーラへ入社し、後輩はコスメデコルテへの入社が決まりました。
彼女たちはそれぞれの会社へ就職し、そこで美容部員をしながら何度か希望とするRMKやMACを受けましたが、美容部員としての経験を積んでも入社できなかったため、
専門学校へ行くよりも大学を卒業しておく方が就職したいコスメブランドに入りやすいかもしれない。
話していました。
その後親友は、アユーラからクリスチャン・ディオールへの就職が決まりそちらで長年勤めることになります。
当時はハイブランドも正社員雇用をしていましたが、今は多くの美容部員さんは非正規雇用となるそうです。
ただ正社員としてコスメブランドではたらく方法が、もう1つあるそうです。
それは、百貨店の正社員になること。
コスメブランドではたらくには各コスメブランドが募集をかけているときに面接を受けることを想像しがちですが、親友の話によると百貨店に就職することでコスメブランドに配属されることがあるそうです。
じつは私は専門学生のときに阪急百貨店で販売のアルバイトをしていたことがあります。
そのときに阪急百貨店のマネージャーさんと仲良くなったのですが、
マネージャー様|
今度化粧品売り場にあたらしくイヴ・サンローランが入ることになったんだけど、美容の専門学校に通ってるしここで社員としてはたらかない?
と声をかけていただいたことがあります。
私はヘアメイクアップアーティストになりたかったので後ろ髪を引かれながらも丁重に辞退させていただきましたが、今から思うととてももったいない話ですよね(苦笑)
親友からその話を聞きながら当時のことを思い出しましたが、このように百貨店の正社員からコスメブランドに配属してもらうという方法もあります。
希望のコスメブランドに配属されることはおろか、もしかすると化粧品売り場以外の部門に配属される可能性も高くはなりますが、非正規ではなく正社員としてはたらくことができるので収入面や保障はとても安定したものになります。
ヘアメイクアップアーティストになるために大切なことについては、エマブール ブログ ヘアメイクアップアーティストになるために必要なことについてをご高覧ください。
まとめ
ヘアメイクアップアーティストと美容部員の仕事は、似ているようでその性質には大きな違いがあります。
お客様にメイクをするという点はおなじですが、アーティストの仕事はだれかに見せるためのメイクをし、美容部員の仕事はお客様の魅力を引きたてる化粧品を選び購入していただくことが主な仕事です。
そして美容部員になるためには、大学を卒業している方が合格はしやすいものの非正規雇用がほとんどであること。
ただ百貨店の正社員となることで、そこからコスメブランドに配属されるという方法で正社員としてはたらく道があることについてもご紹介をしました。
わたしたちヘアメイクアップアーティストも正社員としてはたらけることはほとんどありませんが、美容部員さんもなかなかきびしい現実があります。
ですが私も長年ヘアメイクアップアーティストとして仕事を続けており、親友も美容部員として今も仕事をしています。
それはあきらめずに経験をずっと長く積みつづけてきたことが、一番大きな成果となって表れているのだと実感しています。
現在私はフリーランスとして活動を続けており、親友は結婚・出産を機に百貨店での美容部員からドラッグストアの美容部員に転身しました。
はたらく場所が百貨店からドラッグストアに変わったことで華やかさはなくなったように思われるかもしれませんが、長年の美容部員としての経験を活かして今もドラッグストアの美容部員として仕事を続けることができており、正社員でありながら家事や子育てに差し支えることのないとても良い環境で仕事ができているので親友は今のはたらき方にとても感謝しています。
わたしたちヘアメイクアップアーティストとおなじように化粧品を販売することも技術です。
技術は長くずっと続けることで成長し、やがて実を結びます。
そしてなによりも、おすすめした化粧品やメイクの技術をお客様がとても喜んでくださったり笑顔になっていただくことができれば、なににも代えがたい一番の報酬になります。
美容部員は、お客様にメイクをすることの楽しさや美しくなることで気持ちが大きく変わることを伝えることのできるすばらしい仕事。
リアルな内容をたくさんつづりましたが、すばらしい仕事であることに誇りと志しを持って臨んでいただけると幸いです。
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『たくさんの人たちに心のこもった技術を届ける』
という想いを込めて仕事をしています。
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