はじめまして。
私は大阪・堺市でヘアメイクアップアーティストとして活動をしている「AimaBle」の小川敬子です。
昨日のブログで少しご紹介しましたが、昨年10月に遺影写真を中心に撮影をされているカメラマンさんよりヘアメイクのご依頼をいただいて生前遺影写真の撮影にごいっしょさせていただきました。
今日はお客様より写真のご掲載許可をいただけましたので、カメラマンさんからいただいた写真とともに撮影の打ち合わせや撮影当日のヘアメイクについてご紹介します。
生前遺影写真撮影でヘアメイクを担当させていただきました
Hair & Make : Yukiko Ogawa(AimBle)
2021年10月。
夏の暑さも少しやわらいだころ、遺影写真の撮影にごいっしょさせていただきました。
今回生前遺影写真の撮影をご依頼くださったお客様は、遺影写真の撮影をするにはまだ年齢のお若い方でした。
生前遺影写真の撮影をされるにいたった経緯についてお話をしてくださいましたが、2020年からはじまったコロナ禍をきっかけにご家族と過ごす時間や今のご自身を写真にして残したいという気持ちがめばえ、生前遺影写真の撮影を考えるようになられたとのことでした。
日本はアメリカやヨーロッパにくらべると感染者や亡くなられた方の人数は少ないですが、アメリカでは昨年勢いの止まらない新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに家族写真を撮る方が急激に増えたと聞きます。
パンデミックだけでなく、近年気候変動や自然災害と命の危険にさらされることやその被害が大きくなってきています。
生前遺影写真としての撮影だけではなく、生きている証として写真を残したいと思われている方が日本にも多いかもしれません。
生前遺影写真撮影の打ち合わせについて
生前遺影写真用のヘアメイクのご依頼をいただいたのは、昨年の2月ころでした。
当初は3月ころの少し暖かくなった時期に撮影を行う予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大による緊急事態宣言が3月まで伸びたため気候の良い秋に撮影を行うことになりました。
生前遺影撮影の打ち合わせは、はじめに撮影場所や撮影イメージをカメラマンさんがメールでやり取りを行われました。
そのときに髪型やメイクのイメージとなる写真などがあれば私へ送っていただきます。
今回は、撮影場所のご希望がご自宅となりました。
また撮影イメージはかっこいいイメージで撮影をされたいことと、ご家族のみなさまともごいっしょに撮影をされたいとのことでした。
私は生前遺影写真の撮影にかぎらず結婚式や成人式・雑誌や広告などの撮影においても、ヘアメイクをさせていただく方の写真を事前に送っていただけるようお願いしています。
その理由は、ヘアセットやメイクをするうえでイメージを考え、お客様にさまざまなご提案やご相談をさせていただくためです。
お客様が思い描いているイメージと私が思い描いているイメージがちがうものになってしまうと写真の仕上がりイメージが大きく変わってしまいます。
おたがいの考えているイメージを近づけていくことで理想どおりの全身像に仕上げることができるようになるからです。
当日の撮影について
撮影当日になり、お客様のご自宅へおうかがいしました。
プロによる写真撮影は白い壁にかこまれた写真スタジオをイメージしますが、カメラマンさんの生前遺影撮影は、ご自宅や思い出の場所などご希望の場所へ出張されてます。
ただヘアメイクは電源がないとできないため外でのロケーション撮影となった場合、私はご自宅へおうかがいしヘアメイクを行ってから撮影場所へ移動するようお願いしています。
今回はヘアメイクも撮影場所もご自宅であったため、私がヘアセットやメイクをしている間にカメラマンさんが照明などの撮影機材を組み立ててすぐに撮影ができるようにご準備されていました。
撮影のヘアメイクについて
Hair & Make : Yukiko Ogawa(AimBle)
撮影のヘアセットやメイクは、ふだんのメイクよりも少ししっかりと作りこみます。
なぜならば照明があたるとアイシャドウや口紅などの色がうすく写ったり、顔の立体感や目鼻立ちの印象がぼやけたように見えやすくなるからです。
今回の撮影イメージは、とてもかっこいい仕上がりにしたいというご希望をいただいていたため骨格がしっかりと分かるようベースメイクを仕上げています。
そしてお客様の大きな目を引き立たせるため、しっかりとアイラインを引いて目の輪郭を強調させたメイクをほどこしています。
髪型は、ボブのスタイルをいかしてまっすぐのストレートボブに仕上げました。
毛先を内に巻くとやわらかさが出てしまうため、毛先までまっすぐ伸ばしてシャープさを出すことで凛としたかっこよさを表現しています。
私はヘアメイクをするときに、
・あなたが持つ個性や美しさ
・上品さ
を引き立たせるようヘアメイクをします。
これは、各ヘアメイクアップアーティストによって「なにを大切にしているのか」の基準がちがうためアーティストによってちがいがあります。
また表現力や感性・趣味趣向が合わさってくる部分でもあるため、おなじ人にヘアメイクをしてもらっても仕上がりがまったく変わります。
この部分も写真から感じとっていただけると幸いです。
ご家族のみなさまとの家族写真撮影へ
撮影は、お客様の遺影写真撮影だけでなくご家族のみなさまとの家族写真の撮影も行われました。
Hair & Make : Yukiko Ogawa(AimBle)
生前遺影写真の撮影のときとはまったくちがう満面の笑顔に、わたしたちもとてもうれしい気持ちになりました。
お客様のおとなりでご主人様とご子息様が少し気恥ずかしそうにされている表情が対比になったとてもステキな写真です。
お正月やお盆に家族が集まっても、年齢を重ねるにつれて家族で写真を撮ることが減っていきます。
寄りそって撮影をされているお姿を間近で拝見しながら、家族が集まれる機会に写真を撮ることの大切さをあらためて実感します。
そしてお客様とご主人様との撮影へ。
Hair & Make : Yukiko Ogawa(AimBle)
とても仲むつまじいステキなご夫婦様です。
撮影をしながら息子さんを出産されたときのことや今までのお話をおうかがいしましたが、家族で手をとりあっていっしょの時間を大切に過ごされていることに心がとても温かくなりました。
私は成人式や結婚式といった幸せな時間をお祝いする場のヘアメイクにつくことも多いですが、フリーランスになってからは結婚された後の人生を仕事をつうじて間近で拝見させていただく機会も増えました。
家族写真や遺影写真の撮影も、成人式や結婚式とおなじようにとても尊く輝いた幸せな時間を象徴していると強く思います。
まとめ
生前遺影写真と聞くとある一定の年齢になってから撮る写真というイメージをもちますが、今を生きている証として撮影をするということも今の時代の流れにおいて必要とされていることをあらためて実感します。
愛にあふれたステキなご家族のみなさまの撮影にごいっしょさせていただくことができ、とても光栄に思うばかりです。
ご家族のみなさまがこれからも、元気に楽しい毎日をお過ごしいただけるよう心よりお祈りしております。
このたびもご依頼をいただき誠にありがとうございました。
Photo : Miki Uehata
Hair & Make : Yukiko Ogawa (AimaBle)
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